【肖像権侵害】知らぬ間に自分の顔写真がネットに!被害にあわないために気をつけたいこと

2020.11.12

スマートフォンの機能向上により、誰でも簡単に写真や動画を撮ることができるようになりました。それに伴い増えているのが、無断掲載によるトラブルや盗撮被害です。

電車やお店の中で撮影された画像や動画が、コメント付きでインターネット掲示板にアップされ炎上したケースが多発しています。今回は、肖像権侵害にあたるケースや、被害にあったときにどうすればいいかを解説していきます。

 

 

何気なくネットにアップした画像が炎上騒ぎに

先日、タレントでモデルのローラさんが、Instagramのストーリーにアップした一枚の写真がちょっとした騒ぎになりました。

「ひさしぶりの電車」とのコメントと共に投稿された写真の背景には、一般の乗客の姿が。そもそも電車内での自撮り行為自体がマナー違反なのに加え、写り込んだ乗客の顔を一切加工せず、位置情報まで表示されていました。

ローラさんのフォロワーは、世界中で約550万人と言われており、影響力の強い彼女が、一般人の顔がはっきりと写り込んでいる写真を公開したことに対して多くの批判が寄せられました。

この事例は、ローラさんの配慮が足らなかったことが原因ですが、誰もが悪意はなくても「つい」「うっかり」やってしまいがちなNG行動でもあります。しかし一枚の写真をきっかけに犯罪に巻き込まれるケースもあることから、肖像権は決して軽視されるものではありません。では、肖像権とは一体どのようなものを指すのでしょうか。

 

 

肖像権とは?

肖像権とは、承諾なしに自分の容姿(顔や身体など)を撮影されたり、公表されたりすることを禁止する権利です。人格権の一つとして認められています。ただ、著作権のように明確に法律で定められたものではないため、肖像権侵害にあたるかどうかの判断が難しく、肖像権侵害それ自体では犯罪行為にはなりません。

肖像権は大きく分けて、「プライバシー権」と「パブリシティ権」2つの側面があります。後者に関しては芸能人や著名人に関する事柄なので、今回は省きますが、「プライバシー権」は一般の方にも大いに関係してくるので詳しくみていきましょう。

 

▼プライバシー権

個人の私生活に関わる事柄をみだらに公開されないようにする権利です。もともとは、アメリカで「そっとしておいてもらう権利」として定義されていました。「誰が、いつ、どこで、何をしていたか」といった個人の行動情報はプライバシーに守られるべきで、第三者はむやみにそれを侵してはならないとされています。

 

▼肖像権侵害になるケースとは?

① 被害者に断りもなく写真や動画を撮影した
② 被害者の顔や身体がハッキリ写っている(本人だと特定できる)
③ ネット・SNSなど、拡散されやすい場所で公開されている
④ 公開されたことにより、被害者が精神的ダメージを被った

これらの条件が揃った時、肖像権侵害が認められる傾向にあります。しかし、肖像権は法律上に明確な規定があるわけではないので、肖像権侵害を理由に刑事罰に問うことはできません。ただ民事上の責任は発生するので、投稿者に対して差止要求や損害賠償を請求することは可能です。

 

 

一般人への肖像権侵害の例 ~街の人事件~

某有名ハイブランドのTシャツを着ていた女性を、ストリートスナップのカメラマンが無断で撮影、WEBサイトに掲載したことが発端となったこの事件。女性が着ていたTシャツには胸元に大きく「SEX」という文字がデザインされていました。それを見た人が掲示板に女性を揶揄するようなコメントと共に写真をアップしたところ、誹謗中傷の書き込みが殺到。被害者の女性は友人から自分の写真がネット上に掲載された上に炎上していることを聞き、運営元である日本ファッション協会等に対して抗議をしました。

問題となった写真はすぐさまWEBサイトから削除されましたが、すでにコピーされた写真が出回っており、再び炎上することとなりました。被害者女性は、肖像権やプライバシーの侵害を理由に日本ファッション協会等に対し、330万円の損害賠償を求めました。

裁判の結果、一般の『写り込み』とは異なり、被害者の全身像に焦点を絞り込んでいることや、被害者が受けた精神的苦痛を考慮し、東京地裁は肖像権の侵害を認定。損害賠償として35万円を支払うよう命じました。
東京地裁 平成16年(ワ)第18202号(「街の人」肖像権侵害事件)

 

この事件のように、本人が全く気づかないうちに撮影された写真が意図せぬ形で炎上してしまう例以外にも、友人が断りなくSNSなどにアップした写真をもとに、個人情報が特定されたり、ストーカー被害にあうなどトラブルに巻き込まれる例も増加しています。

 

 

被害にあわないためには

① 仲間内や大多数で集まる場合は、写真をアップしてほしくないことをきちんと伝える。

例えば友人がFacebookやInstagramに友人同士の写真を沢山アップしているようであれば、自分の顔が写っている写真は避けてほしいと予め伝える。

② 電車や街中などで不審な動きをしている人がいないか注意する。

不自然にスマホをこちらに向けてきたり、あやしい動きをしている人がいれば、写らない角度に移動する、顔を見せないなどの自衛策も効果的です。

しかし、写真や動画が公開されて初めて被害に気づくことが多く、未然に防ぐのは難しいのが現状です。それでは自分の画像が悪用されていたらどうすればいいのでしょうか。

 

肖像権侵害を受けた場合の対処法

▼ 削除依頼

投稿者が知人などの身近な人であれば、削除をお願いして解決する場合もあります。しかし、投稿者が不明、あるいは削除してもらえない場合は、サイトの管理者に肖像権侵害の事実を伝え、削除要請を行います。

 

▼ 弁護士に相談

任意の削除要請に応じてもらえない場合は、弁護士を通じて法的手段をとることも選択肢の一つです。肖像権侵害は、名誉を傷つけられるだけではなく、投稿された画像を元に誹謗中傷が集まるなどの二次被害につながることがあるので、速やかに削除することが必要です。

しかし、前述のとおり肖像権侵害には明確な定義がないため、どこからが侵害なのか判断が難しいのが実情です。判断に迷った場合は一人で解決するのではなく、ITやネット被害の知識、経験が抱負な弁護士に任せることが賢明と言えるでしょう。「ネット中傷解決くん」には、ネットトラブルに精通した弁護士が揃っています。投稿者を特定する「情報開示請求」や、差し止め請求、損害賠償請求など、状況に応じたアドバイスを行います。

 

 

さいごに

今の時代、スマホで何気なく撮影した写真1枚にも、個人につながるさまざまな情報が含まれています。ふとしたきっかけでネットにアップされた写真をもとに個人情報がバレてストーカー被害にあう恐れもあります。自分の写真がSNSなどに無断でアップされてしまった時は放置せず、経験豊かな弁護士に相談し、速やかな解決を目指しましょう!