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2020.11.12

今、SNSなどのネット上における誹謗中傷が大きな社会問題となっています。発端となったのは、恋愛リアリティ番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラー・木村花さんの死でした。木村さんのSNSには毎日、膨大な数の誹謗中傷コメントが書き込まれていたそうです。この悲しい出来事をきっかけに、ネット上で悪質な投稿をした人物を特定する「発信者情報開示請求」が注目されるようになりました。投稿者を特定することで、安易な書き込みへの抑止力や被害者の救済につながると期待されています。今回は「発信者情報開示請求」の流れから具体的な手続きまで解説していきます。

 

増え続ける、匿名による悪質な投稿


Twitter、LINE、FacebookなどのSNSの普及により、誰でも気軽に情報発信ができるようになりました。しかし、その一方で匿名による悪意ある書き込みも増加しています。

法務省発表のデータによると、2019年のインターネット上の人権侵害報告に関する事件数は1,985件、これは直近10年間の中で2番目に多い数値です。

さらに注目したいのが、その内訳です。プライバシー侵害に関する事案が1,045件、名誉毀損に関する事案が517件となっており、このふたつ全体の合計だけで全体の80%近くを占めています。

 

(※1)参考資料:法務省 報道発表資料 平成31年及び令和元年における「人権侵犯事件」の状況について

 

▼ネット上で発生した悪質な中傷の事例

これまでも度々、芸能人のプライバシーに関する内容や、悪意あるコメントなどが話題になることがありました。しかし今は、有名人に対してだけではなく、個人や企業に向けた誹謗中傷が増加の一途をたどっています。

<悪質な誹謗中傷の例>
・転職口コミサイトに自社の労働環境や待遇について、根も葉もない噂を書かれた。
・動画投稿サイトのコメント欄で荒らし行為が行われた。
・Twitterに名誉を傷つけるような書き込みや個人情報を晒された。
・不動産口コミサイトで事実無根の悪評を書かれた。

しかも、これらの投稿の多くが、匿名や架空の人物を名乗って作られる「捨て垢(=捨てアカウントの略)」を使用したもので、加害者の特定は容易ではないのが現実です。

このような個人の尊厳や、人格を侵害する投稿、企業の信用やブランドイメージを損なうような投稿を放置しておくと、さらなる被害を招くことになります。
被害を少しでも食い止めるためには、悪質な投稿を早急に削除することが大切です。

では、具体的にどのようなアクションをとればいいのでしょうか?

 

悪質な投稿を見つけたら、まずやるべきこと


 

▼ 証拠を残す(証拠保全

・該当するページの内容とURL、日付が表示される状態で印刷しておく(PDFでも可)
・誹謗中傷発言に至る流れがわかるよう、全体の流れも記録しておく。

Twitterを例にあげると、誹謗中傷投稿にはそこに至るまでの発言者のツイートや、それに対する批判ツイートなど、一連の流れがあるはずです。何故この発言が名誉棄損となるかの根拠を示すためにも、全体の流れを残しておくことが大切です。

▼ 削除請求

サービスを運営するコンテンツプロバイダのお問い合わせフォームやメールを通じて、掲載情報の停止、削除依頼が可能です。しかし、削除依頼に応じてもらえない場合は、裁判所の法的手続を利用することになります。

 

▼ 情報開示請求を行う

① サイト管理者へ開示請求(利用されたプロバイダを特定)
② プロバイダへ開示請求(加害者の身元を特定)

削除請求も、もちろん有効ではありますが、一番大切なのは、再び同じような投稿を繰り返さないこと。そのためには「発信者情報開示請求」により、投稿者を特定し、謝罪および今後一切誹謗中傷を行わないときちんと約束させることが良策と言えるでしょう。

それでは、発信者情報開示請求について、詳しく見ていきましょう。

 

「発信者情報開示請求」とは?


インターネット上で個人や企業・団体などに対して誹謗中傷を行った人物を特定するための手続きを指します。プロバイダに対して、発信者情報(住所、氏名、メールアドレス、IPアドレス、投稿日時など)の開示を求めることができます。

具体的には下記情報の開示を求めることが可能です。

1 氏名
2 住所
3 電話番号
4 メールアドレス
5 IPアドレスとポート番号
6 インターネット接続サービス利用者識別符号(i-mode IDなど)
7 SIMカード識別番号
8 タイムスタンプ

2020年8月、この項目に電話番号が追加されました。

 

▼電話番号が開示されると何が変わるの?

これまで投稿者特定のために、最低2回の裁判が必要とされていました。しかし、コンテンツプロバイダから電話番号が開示されれば、弁護士会照会という調査手段で住所や氏名が判明するため、1回の裁判で済む可能性があります。これにより、解決までの時間が短縮され、被害者の精神的負担が軽減されることが期待されています。

その他にも、IPアドレスだけでは特定に至らなかったケースでも、特定に至ることがあるなど、多くのメリットが予想されます。

 

▼「発信者情報開示請求」を行うメリット

投稿者を特定することで、示談交渉など直接やり取りすることが可能になります。しかし、交渉に応じてもらえない場合は、投稿者に対する損害賠償請求あるいは刑事告訴などの法的措置をとることになります。

また、もう一つの利点として、投稿者を特定することにより、安易な投稿が繰り返されることがなくなり、誹謗中傷の再発を防ぐことができます。

 

発信者情報開示請求の方法


▼流れ

① サイト管理者に投稿に利用されたIPアドレス等の開示を求める
② 情報の開示(非開示の場合は法的手続を取る)
③ 開示されたIP情報からプロバイダを特定
④ プロバイダに対して該当するIPを利用した人物の契約者情報の開示を求める
⑤ 情報の開示(非開示の場合は法的手続を取る)

まとめると、サイト管理者から開示してもらったIPアドレスを元にプロバイダを特定。

そこから書き込んだ人物の住所と名前を開示してもらい個人を特定します。

 

▼期間

一般的に、仮処分申請を行ってから開示に至るまで、数か月から半年程度かかると言われています。

 

▼個人で開示請求をすることは可能?

もちろん、被害者が自分で「発信者情報開示請求」を行うことも可能です。しかし、前述したとおり、手順が複雑かつ法律の知識が必要であることや、裁判になるケースが多いことから、弁護士へ依頼することをおすすめします。

さらに、「発信者情報開示請求」の手続きの中で、もっともネックとなるのがプロバイダのログ保存期間です。多くが3か月程度と言われており、証拠が消えてしまう可能性があるのでスピード感をもって対応しなくてはいけません。

スピード感をもって対応するには、ITやネット被害の知識、経験が抱負な弁護士に任せることが賢明と言えるでしょう。「ネット中傷解決くん」には、ネット上の誹謗中傷や名誉棄損トラブルに強い弁護士が揃っているので、相談から解決までスピーディーかつ親身になってサポートします。

さいごに


ネットの書き込みでも、名誉毀損罪や侮辱罪に当たると判断されれば、刑事罰の対象になります。加害者にとってはストレス発散や単なる暇つぶし感覚かもしれませんが、被害者にとっては耐えられないほどの精神的苦痛が伴います。心無い誹謗中傷に屈することなく、しっかり立ち向かいましょう!

 

【引用元資料】
(※1)法務省 報道発表資料 平成31年及び令和元年における「人権侵犯事件」の状況について

 

2020.11.12

今や、ネットニュースなどで「炎上」の文字を見ない日はないと言ってもいいほど、日常的なものとなっている炎上トラブル。SNSやブログでの発言をきっかけに、非難や批判が殺到し収拾がつかなくなる事例が後を絶ちません。炎上には、自分に非がある場合と、そうでない場合の2つのケースがあり、前者であれば素直に謝罪すべきですが、問題なのは自分に非がないにも関わらず、悪意ある人物から執拗に絡まれるパターン。今回は、炎上を招かないコツや、巻き込まれてしまった場合の対処法などを解説していきます。

 

個人や企業の情報発信に欠かせないSNS


企業の副業解禁の流れもあり、“個人で稼ぐ”ことが珍しいことではなくなってきました。ビジネスパーソンのみならず、学生や主婦まで、SNSを使って「セルフブランディング」をする人が増えています。今や、インスタグラマーやYouTuberだけではなく、一般人でも、スマホ一つで数千人のフォロワーに向けて情報発信することができる時代なのです。

このように、ファンづくりや情報発信にはかかせないSNSですが、ちょっとしたことで炎上を招く危険もあり、SNSのメリットとリスクは表裏一体と言えます。

 

▼国内における炎上発生件数の推移

日本国内での炎上発生件数はモバイルとSNSが普及し始めた2011年を境に急激に増加しており、個人・企業問わず炎上の対象となっています。


(※1)参考資料:令和元年版 情報通信白書(総務省)デジタル経済の中でのコミュニケーションとメディア

▼ 「悪意ある投稿」を行う人の心理とは

情報処理推進機構(IPA)が2019年に発表したデータによると、悪意のある投稿をしたことがあるか、という問いに対して、約2割の人がなんらかの形で「ある」と答えています。最も多いのが「他人や企業の悪口」、次いで「他人の発言を非難する内容」「さげすんだり、けなしたりする内容」が続きました。

投稿した理由については、「人の投稿やコメントを見て不快になったから」が最も多く、「人の意見に反論したかったから」「人の意見を非難・批評するため」もそれぞれ3割近くを占めました。

(※2)参考資料:2019年度 情報セキュリティの論理に対する意識調査(独立行政法人 情報処理推進機構(IPA))

 

さらに、悪意ある投稿をした後の感情については、「気が済んだ、すっとした」「小気味良かった」という自己中心的な回答が合わせて5割弱を占めていたのに対し、「やらなければよかった」「もやもやとした気持ちが残った」という後悔の念を感じた人はたったの3割でした。

リアルの世界では面と向かって討論や批評することが出来なくても、ネットの世界では顔が見えないことから、一方的に攻撃的な発言をしてしまうことが多いようです。

ストレス発散や、間違った正義感から悪質な投稿を繰り返すケースもあり、中には、わざわざ炎上ネタを探し、煽るようなコメントを積極的に書き込んでいる人もいます。

 

本人の意図せぬ形で、SNSが炎上してしまうことも


▼ハッシュタグで炎上

今年5月、「#検察庁法改正案に抗議します」とツイートしたきゃりーぱみゅぱみゅさんの投稿が炎上しました。

検察官の定年延長を可能にするこの法案への抗議ツイートは、政治家だけではなく、芸能人や映画監督、アーティストなど多くの著名人にも広がり、瞬く間に500万件近くツイートされました。中でも、きゃりーさんの投稿には賛同する声の一方で、「幻滅しました」「政治的なことツイートして欲しくない」といった否定的なコメントが多く寄せられコメント欄が一時大荒れに。投稿はすぐに削除され、翌日きゃりーさんは今回のツイートに関しての謝罪と説明を行いました。

ツイッターのフォロワー数が500万人を超えるきゃりーさん。彼女の発言に対する影響力の高さを痛感するとともに、ネット上の発言の怖さが見て取れるケースだと言えます。このように本人の意図とは関係なく炎上してしまうケースも多々発生しています。

 

▼ブログの投稿をきっかけに炎上

さらに深刻なネット炎上のケースとして、元AKB48のメンバーで今は実業家として成功している、川崎希さんへの誹謗中傷被害があります。

長年に亘り、主婦向けコミュニティの掲示板に、川崎さん本人や家族に対して執拗な嫌がらせの書き込みがありました。誹謗中傷だけではなく、プライバシーの侵害に及ぶものもあり、家族の安全を脅かすような内容へとエスカレートしていったことから、弁護士を通じて発信者情報開示請求を行いました。

その結果、悪質な投稿を繰り返していた女性二人を特定。侮辱罪で書類送検しましたが、二人とも容疑を認め反省していることから刑事告訴は取り下げたそうです。

現在は書き込みのあったスレッドも完全に閉鎖されましたが、これらの誹謗中傷による被害は約3年にもおよび、川崎さんは相当な精神的ダメージを受けました。中には、一人の人物が複数のアカウントから書き込んだ事例もあり、嫌がらせ投稿がほぼ日課のようになっていたそうです。

これらの発端となったのは、川崎さんのブログ。家族のことや自身がプロデュースする商品の情報などを発信していました。その華やかで幸せそうな暮らしぶりへの嫉妬から、このような行動に至ったのではと言われています。

ブログやSNSはファンとの交流を深めるために欠かせない場ですが、有名になればなるほど、アンチが増えるというジレンマもあります。

誰もが自由に発言できる場所だからこそ、発信の仕方には細心の注意を払わなくてはなりません。では具体的にはどのような点に気を付けなくてはいけないのでしょうか。

 

誹謗中傷に合わないためのSNS発信のコツ


ネット=不特定多数の人々がいる場では、第三者が見て不快に感じる可能性のある投稿は避けましょう。具体的には

① 差別発言や性的な発言は避ける
② 誰かを批判するような内容は書かない
③ ネガティブな表現は出来るだけ避ける
④ 写真をアップする時には、内容に問題がないか事前に確認する

加えて、「上から目線」と誤解されるような発言や行動は炎上につながりやすいと言われています。いたずらに炎上を招かないために、ネット=公共の場ということを意識した発言を心掛けましょう。

▼それでも、炎上してしまったら

自分に非がある場合

発言の内容を再度確認し、少しでも自分に非があると感じた場合は、下手に言い訳やごまかしをせず、問題となった投稿の至らなかった部分とそれに対する謝罪を行います。間違っても相手に反論したり、批判してはいけません。火に油を注ぐ結果となってしまいます。出来るだけ速やかに事を納めることを優先させましょう。

 

自分に非がない場合(炎上に巻き込まれた場合)

それでもなお炎上が収まらない、もしくは自分には全く非がないにもかかわらず、攻撃してくるようであれば、弁護士を通じて「発信者情報開示請求」の手続きを行うのが良策でしょう。(※発信者情報開示請求の手続きについてはコチラをご覧ください)

一度、炎上が始まってしまうと、最初は一人だった投稿者が便乗によりどんどん増えていき、手がつけられない結果に。炎上を少しでも早く鎮火させるには、ITやネット被害の知識、経験が抱負な弁護士に任せることが賢明と言えるでしょう。「ネット中傷解決くん」には、ネット上の誹謗中傷や名誉棄損トラブルに強い弁護士が揃っているので、相談から解決までスピーディーかつ親身になってサポートします。

さいごに


毎日のようにどこかしらで起こる炎上被害ですが、その原因のほとんどが「些細なこと」だったりします。炎上被害はSNSを使用する人にとって、もはや「対岸の火事」ではないと言えるでしょう。まずは自分で炎上しないよう対策をとることが重要ですが、自分に非がなくても炎上してしまう“巻き込まれ被害”にあってしまった場合は、泣き寝入りすることなく、法律に則ってしっかり戦いましょう!

 

 

【引用元資料】
(※1)令和元年版 情報通信白書(総務省)デジタル経済の中でのコミュニケーションとメディア

(※2)2019年度 情報セキュリティの論理に対する意識調査(独立行政法人 情報処理推進機構(IPA))

 

 

 

2020.11.11

2019年11月、K-POPグループ『KARA』の元メンバーで歌手のク・ハラさんが自宅で亡くなっているのが発見されました。元交際相手からのリベンジポルノに悩んでいたとの報道もあり、リベンジポルノの怖さが再認識されるきっかけになりました。周りに知られたくないという女性の心理につけ込み、最悪の場合、被害者を自殺にまで追い込むリベンジポルノ。もし被害に合ってしまった場合、どのように対応していけばよいのか解説していきます。

 

リベンジポルノとは


元交際相手や元配偶者が別れた腹いせとして、相手のわいせつな写真や動画を無断でインターネット上に公開する行為を指します。リベンジポルノという言葉が一般的になったのは2013年に起きた三鷹ストーカー殺人事件。ニュース・ワイドショーでも連日報道されていたことが記憶に新しいかと思います。この事件が社会問題化したことから翌年11月、リベンジポルノ防止法(※正式名称「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律案」)が成立しました。

リベンジポルノによる被害は、年々増加しています。2019年に警察庁に寄せられた相談件数は、1479件と過去最多を更新(※1参照)。中でも女性からの相談が9割を占めます。年代別で見ると10代~20代が過半数を占める結果に。ここで注目すべきなのが被害者と加害者の関係です。


(※1) 参考資料:警視庁 令和元年におけるストーカー事案及び 配偶者からの暴力事案等への対応状況について

 

一番多いのは交際相手(元交際相手を含む)からの被害でしたが、友人・知人によるものも約2割を占めています。

IPAが13 歳以上の男女を対象に行った調査(※2参照)によると、面識のある友人・知人に自分の性的画像を送ったことのある割合が10代~20代で約1割、さらにSNS 上だけの知り合いに共有する傾向は 10代女子、20代男子で多くみられました。

これらの背景には、SNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)の普及があります。若い世代を中心に、私的な画像のやり取りや、ネット上にアップロードすることへの抵抗が少なくなったことが関係していると思われます。


(※2) 参考資料:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)情報セキュリティの倫理と脅威に対する意識調査 2019年度版

 

リベンジポルノの目的とは?


リベンジポルノには、大きく分けて2つあります。
いくつか事例とともに見ていきましょう。

パターン1

別れた配偶者や交際相手にふられた腹いせとして、リベンジ(復讐)するケース。写真や動画をネタに復縁を迫るなど、脅迫行為に発展することもあります。

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鳥取県に住む男性Aは、元交際相手の女性に「写真ばらまき後悔させてやる」などと連絡。その後Twitterに、被害者裸の写真を10回にわたり投稿した罪で懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役3年)の判決を受けました。犯行の理由として「女性に復縁を求めるメールを送ったが、返事がなかったので恨んだ」と供述しています。
(※3)【引用:「リベンジポルノ」39歳男に有罪判決 ネット使用で初 – 産経ニュース】

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パターン2

さらに悪質なのが最初から販売することを目的とするケース。SNSなどで知り合った女性の猥褻な画像を販売し利益をえるというものです。

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2019年、出会い系アプリで知り合った女性とのわいせつ動画を同意なしで撮影し、販売していた男が逮捕されました。容疑者はインターネット上の動画サイトにわいせつ動画を約200本投稿。マニアの間で人気を博し、約6年間で8800万円を荒稼ぎし、30人以上の女性が被害を受けたとされています。
(※4)【引用: 女性のわいせつ動画公開疑い、30歳男逮捕 兵庫県警 – 産経ニュース】

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◆リベンジポルノの被害に合わないために

 

どちらの例も加害者の身勝手な理由によるもので、誰にでも降りかかる可能性があります。リベンジポルノの被害に合わない為に、何よりも有効な回避策・解決策は性的な画像を“撮影させない”“送らない”こと。「裸の写真撮らせて」、「エッチな動画送って」と言われたら、相手が誰であっても「嫌だ」ときっぱり断る姿勢が大切です。相手が同意なく撮影を始めた場合も同様です。

また恋愛や夫婦関係にある場合は、別れ際の対応にも注意が必要です。最近はLINEなどで一方的に「別れよう」と言って関係を断つことが多いようですが、それでは相手が納得しません。お互い別れた後も気持ちよく前に進むために、きちんと話し合うこと。そしてお互いにとってマイナスとなる写真や動画はその場で削除すること。後々のトラブルに発展しないよう別れ際こそ誠実に、が鉄則です。

しかし、スムーズに関係を清算できないケースも多々あります。そのような場合どうすればよいのでしょうか。リベンジポルノのリスクや対処方法についても見ていきます。

リベンジポルノの怖さ


 

◆ 消したくでも消せない“デジタルタトゥー”

カップルであれば愛の証として、またはその場の雰囲気に流されて撮影してしまうこともめずらしくありません。しかし、軽い気持ちで撮影した写真や動画が、後々自分の人生をおびやかすことになるのがリベンジポルノの怖さです。

一度インターネット上にアップされると瞬く間に広がり、永久に残り続ける“デジタルタトゥー”。画像を見た人がそれを自分のPCに保存、または別のサイトにアップするなど、自分の知らないところでどんどん広まっていきます。ひどい例になると海外のサーバーにアップされ簡単に削除できないことも。

「学校や職場で噂になったら」「将来子どもに見られたら」

被害者は自分の性的映像を「誰かがこれを見るかもしれない」という恐怖の中で過ごすことになります。常に誰かが自分の噂話をしているのでは?と疑心暗鬼になり学校や会社に行けなくなる例も報告されています。

 

◆   精神的ダメージから心身のバランスを崩すことも

リベンジポルノが被害者にとって大きな精神的ダメージを与える理由の一つとして、元恋人や配偶者、友人など一度は信頼した人によるものだということ。信頼していた人から裏切られたという事実は心に大きなダメージを与えます。

さらに深刻なのが、リベンジポルノの二次被害として、被害者が責められるケース。「そんな写真を撮らせた方が悪い」「自己責任だ」という心ない言葉をかける人もいます。冒頭で触れたク・ハラさんもネット中傷などで心を病み最悪のケースを引き起こしました。

被害者に多大な精神的苦痛を与え続けるリベンジポルノ。しかしながら法律によって加害者に与えられる刑は、たった「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」でしかありません。しかも、ほとんどが執行猶予付きの判決というのが現状です。

被害者が受けた心の傷の大きさとは、比べ物にならないと言えるでしょう。

リベンジポルノにあったら


リベンジポルノは画像・動画が流出する前と後では、状況が大きく異なります。流出前であれば、加害者はそのネタを元に復縁を迫る、または金銭を要求してくるケースが後を絶ちません。これはれっきとした脅迫罪にあたりますので警察に相談しましょう。

流出後であれば、これ以上被害が大きくならないよう早急に画像・動画を削除することが必要です。サイトの運営会社や無料のセーフラインに削除依頼をかけることも可能ですが、一旦削除されたとしても、相手の手元にまだ画像が残っていた場合、再びアップされる危険性があります。さらに最悪な例として、知らぬ間に他サイトに転載されていようものなら個人では手の施しようがありません。

そこで心に留めておいてほしいことが、

◆   決して、一人で抱え込まないこと

SNSやインターネットで画像が公開された場合、はずかしい、誰にも知られたくないという心理から自分一人で何とかしようと思いがちです。誰にも言い出せず泣き寝入りしてしまうケースや、金銭を要求されるなど泥沼にはまってしまうことも少なくありません。そのような事態になる前に、誰か信頼できる人に相談することが必要です。しかし、身近な人であればあるほど、相談しにくいという心理が働くのも事実です。では、誰に相談すればいいのでしょうか。

 

◆   信頼して任せることができる相談相手=弁護士を見つけること

リベンジポルノは、相手から別れを言い出された、または交際を断られたことを逆恨みした犯行です。加害者は相手に精神的ダメージや社会的打撃を与えることを目的としています。ただでさえ自分に悪意をもっている加害者相手に一人で闘うのは大変危険な行為と言えるでしょう。
警察や専門の団体に相談することも有効ではありますが、スピード感や根本的な解決という点においては弁護士に相談するのも一つの案です。弁護士であれば、画像・動画の公開・拡散を防ぐ為の加害者交渉から、訴訟などの法的手続きまで全て任せることができるので安心です。

しかし、弁護士と言ってもそれぞれ専門分野があり、リベンジポルノやネットの誹謗中傷に無知な弁護士だと適切なアドバイスを受けることができない場合も。経歴や資格だけ見て決めるのではなく、ちゃんと専門分野や人柄を見て選ぶことが重要です。例えば、
「ネット中傷解決くん」など、SNSやインターネット上のトラブル解決に強い弁護士が揃っているサービスを上手く活用して、早期対応&スピード解決できる体制を整えることが大切です。

さいごに


リベンジポルノで一番辛い思いをしているのは、被害者。相手を訴えるためとは言え、第三者に被害状況を事細かく伝えることは、想像以上に辛いものです。だからこそ被害者に寄り添い、一緒に解決へと導いてくれる存在が必要なのです。

「ネット中傷解決くん」には、被害者の絶対的な味方となり、共に戦ってくれるいわばパートナー的存在の弁護士が集結しています。悩みを克服し、一日でも早く笑顔を取り戻していただくことが私たちの願い。リベンジポルノの被害でお困りの方は、どうか一人で悩まずにご相談ください。

 

【引用元資料】
※1警視庁 令和元年におけるストーカー事案及び 配偶者からの暴力事案等への対応状況について

※2IPA(独立行政法人情報処理推進機構)情報セキュリティの倫理と脅威に対する意識調査 2019年度版

※3産経ニュース

※4産経ニュース

 

 

 

 

2020.11.11

ネット中傷解決くん編集部が、相談のネット中傷トラブルの問題になりやすい事例を作成し、ネット中傷問題に詳しい弁護士に対処方法のインタビューを行い、記事にまとめました。

<教えてくれる人>
清水陽平先生(法律事務所アルシエン)

 

【事例】

東京都在住の山田陽子さん(32歳)は、都内のスーパーマーケット「青葉マート」でレジ打ちのパートを始めました。研修中でまだ作業に慣れない中、一生懸命業務に当たっていましたが、客としてやってきた50代の女性に「レジ打ちが遅い」「このご時世に、お釣りを手渡しするなんて失礼」と様々なクレームを入れられました。

最初は我慢していた山田さんでしたが、あまりにクレームが長かったため、つい小さく舌打ちをしてしまい、それを聞いた女性は激昂。山田さんは平謝りをしましたが客の怒りは収まらず、店長の木村浩二さん(45歳)が対応しても怒りがエスカレートするばかり。しまいには「土下座をしろ」と言い出し、山田さんと木村さんが土下座した様子をビデオに録り始めました。

すると同日の夜、山田さんは友人より「あなたがTwitterで攻撃されている」と連絡を受けました(山田さんはTwitterを利用したことがありません)。「mikaチャン.*☆」というアカウントが「青葉マートのパートの山田陽子(32)と店長の木村浩二(45)、客に対して最悪の対応。土下座させた」と画像を添えて投稿。その後も「青葉マートのパートの山田陽子と店長の木村浩二は不倫している」「山田陽子の子供は東小学校2年生。盗癖があっていつもいじめられている」など事実無根の投稿を次々と投稿し、山田さんとその家族は、周囲から冷たい目で見られるようになりました。

山田さんは、なんとかして「mikaチャン.*☆」の身元を特定し、投稿を削除させたうえで、事実無根の投稿に対する法的措置がとれないかと考えています。

 

【対処方法】


対応のポイントとなるのは?


はじめに、山田陽子さんが上記の事例に対応する際、どのような点がポイントになるかを見てみましょう。

山田さんが目的としているのは、①投稿の削除、②投稿者の特定、③投稿者への損害賠償請求の3点。このうち、他者の投稿に対する「削除依頼」と、投稿者を特定するための「発信者情報開示請求」については、依頼者の権利が侵害されていることが必要になります。このケースの場合、山田さんは不倫をしているという事実無根の内容が書かれているため名誉権を侵害されていると考えることができ、削除依頼、発信者情報開示請求ともに行うことができます。

また、名誉毀損罪にあたる余地もあり、刑事事件として告訴する余地もあります。

Twitterの投稿を削除する


誹謗中傷に関連する投稿の削除依頼を行うとともに、「mikaチャン.*☆」というアカウントの持ち主を特定するためには、まずアメリカのカリフォルニア州に本社を置くTwitter Inc.に対してアクションを起こす必要があります(日本法人は日本でのプロモーション活動を行う目的で設置されており、投稿に関する管理権がないため法的対応ができません)。

なお、削除依頼、発信者情報開示請求を行う際のおおまかな流れは、次の通りです。

 

<削除請求>


①お住まいの都道府県の地方裁判所に、Twitter Inc.に対する「仮処分」という裁判手続の申立てを行います。

②申立て内容が一応認める余地があるとなれば、Twitter Inc.を呼び出して審理を行うことになります。この際、Twitter Inc.からの反論も踏まえても、削除が相当であると裁判所が判断すれば、「仮処分決定」が発令されることになります。仮処分決定が発令されれば、Twitter Inc.が「mikaチャン.*☆」の投稿の中から、誹謗中傷に関する投稿を削除してくれます。 

<発信者情報開示請求>


①東京地方裁判所に、Twitter Inc.に対する発信者情報の開示を求める「仮処分」という裁判手続の申立てを行い、投稿者のIPアドレスとタイムスタンプ(サーバ接続時間)の開示請求を行います。

②申立て内容が一応認める余地があるとなれば、Twitter Inc.を呼び出して審理を行うことになります。この際、Twitter Inc.からの反論も踏まえても、削除が相当であると裁判所が判断すれば、「仮処分決定」が発令されることになります。仮処分決定が発令されれば、2〜3週間程度でTwitter Inc.から「mikaチャン.*☆」のIPアドレスとタイムスタンプが開示されます。

この事例では、山田さんのお住まいが東京都であるため、情報開示請求、削除依頼ともに東京地裁に申し立てることができました。しかし、東京以外の道府県にお住まいの方の場合は、削除依頼は在住する道府県の地方裁判所に申し立てを行い、開示請求は東京地方裁判所に申し立てを行うことが必要になるため、ご注意ください。

 

投稿者の個人情報を手に入れる


IPアドレスが開示されると、インターネットサービスプロバイダ(インターネットに接続するためのサービスを提供する会社)が特定できるので、該当するインターネットサービスプロバイダに対して「mikaチャン.*☆」の情報開示請求を行います。

ただし残念ながら、通信から特定される情報は通信の秘密に該当する情報であり、安易に開示すると犯罪行為になってしまうため、発信者の同意がある場合を除き、インターネットサービスプロバイダが任意に開示に応じることはほぼありません。そのため、多くの場合は裁判所を通じて発信者情報開示請求訴訟を行い、裁判所からの命令という形で情報開示に対応してもらうことになります。

裁判にかかる日程は内容によってまちまちですが、こちらの訴えから裁判に入るまでに約2ヵ月、判決が出るまでに約5ヵ月かかると想定していただければと思います。

 

法的措置によって問題の解決を目指す


投稿者が特定できた後は、法的措置によって問題の解決を目指します。責任追及の方法は、大きくわけて2つあります。民事責任の追及と刑事責任の追及です。この事例における名誉毀損は民事責任と刑事責任の両方から追求することが可能なので、それぞれの手続きや賠償額などについて解説していきましょう。

 

<民事責任の追及>


民事での名誉毀損は、民法で規定された「他人の権利や利益などを侵害する行為」に適用され、損害賠償を請求することができます。

損害賠償を請求する方法としては、内容証明郵便などによる裁判外の手続きと、損害賠償訴訟という裁判上の手続きがありますが、加害者が損害賠償の支払いに素直に応じるなら示談、応じない場合は裁判を通じて請求するというのが一般的な流れです。なお、裁判を起こした場合は、判決までに3ヵ月から半年ほどの時間がかかると考えておいてください。

請求額はこちらで自由に決めることができますが、相手の支払い能力なども考慮されるため、慰謝料が3〜60万円、調査費用と弁護士費用を合わせて、だいたい60〜100万円弱に落ち着くことが多いです。

<刑事責任の追及>


この事例を刑法に照らし合わせると、刑法第230条1項に規定された「故意に公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者」にあたります。

この場合は、警察や検察に告訴状、被害届などを提出することになりますが、告訴状を持って警察署に行ってもすぐに対応してもらえないなど、時間と手間がかかる作業になるため、手続きについては弁護士に依頼することをおすすめします。

もしご自身で対応したいという際は、お住まいの地域を管轄する警察署の刑事課に電話して、「ネットで中傷を受けている。相手の特定はできている」と伝えてください。刑事課の担当者につながり、対応してくれます。

どのくらいのスピードで手続きが進むかについては、警察署の忙しさなどによってまちまちですが、ファーストコンタクトから実際の捜査が始まるまでに、相当のタイムラグが生じることも事実。事件性の有無を慎重に調べる必要があることから、数ヵ月から1年単位で待たされることも少なくはありません。

捜査の末、「mikaチャン.*☆」が起訴される場合、名誉毀損罪の法定刑は3年以下の懲役、もしくは禁錮または50万円以下の罰金刑となっていますが、初犯の場合は起訴猶予になることが多く、起訴されるとしても略式起訴(=罰金刑)になる可能性が高いでしょう。

 

かかる費用はどれくらいになるのか?


ここまでで紹介したことのすべてを弁護士に依頼した場合、総額でかかる費用は100万円強になると想定されます。

内訳を紹介すると、まずTwitterとプロバイダに対する開示請求がそれぞれ35〜40万円。Twitterの場合、海外であるためどうしても費用が高額になってしまいますが(FacebookやInstagram、Googleも同様です)、国内企業が運営するサイトやサービスであれば、もう少し費用を抑えることはできます。これに加えて、損害賠償請求や刑事告訴にかかる手続き費用は、着手金だけで各20万円ほどかかります。

ただし、弁護士によって値段設定は異なるので、ここで紹介した数字はあくまで参考程度にとどめていただければと思います。

 

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〈取材を終えて〉
このように、ネット中傷に関わる実際の手続きには時間もお金もかかりますが、だからといって深刻な状況をそのままにしておくわけにもいきません。弁護士事務所の中には無料相談を実施しているところもたくさんありますので、「なにはともあれ相談」からはじめてみるのもいいのではないでしょうか。

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Profile
清水陽平(しみず・ようへい)
2007 年弁護士登録、2010 月11 月法律事務所アルシエンを開設。インターネットにおける誹謗中傷や炎上への対応を得意分野としており、ツイッターとフェイスブックに対し、それぞれ日本初となる事案を担当した。総務省が主催する「発信者情報開示の在り方に関する研究会」の構成員となっており、著書に「サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル(弘文堂)」などがある。